2008-10-14(Tue)
いのちの詩,光のことば
古今東西の詩集から,歌詞から,あるいは小説から… こころに響くことばたちを美しい写真とともに集めました. ひとつひとつがあなたへのメッセージとなりますように☆ Copyright © 2007-2008 Luminare&Luminas, All Rights Reserved.
2008-02-22(Fri)
気配

聞(きこ)えてくる
真白い麦畑で麦を踏んでる足音
その足あとのついた地面の下で
モグラは一瞬胸苦しい夢をみる
雑草の根がほんの少し身体をゆする音
地下水がほんの少し勢いを増す音
大雪 小雪 白雪 吹雪 初雪 夜雪 深雪(みゆき) 細雪(ささめゆき)
こな雪 つぶ雪 わた雪 みず雪 かた雪 ざらめ雪 こおり雪
がたん、すうー
「だあれ戸棚あけてるの?
おひなさま?
おひなさまはまだですよ」
川崎 洋 『音』
「川崎 洋詩集」(ハルキ文庫)
まだ地表は真っ白な雪に覆い尽くされていても
少しずつ春の近づく気配は 冬眠しているモグラにもなんとなく感知されます
雑草の根がかすかに身じろぎしたり…
雪解けの地下水が少しだけ水かさを増したり…
その時点では まだ半睡状態のモグラにとっては それは歓びの予感であるよりも
むしろ一瞬の胸苦しい夢でしかないのかもしれません
わたしたちが忍従や苦闘の日々から解き放たれるときと 似ているかもしれません
変化が徐々に近づいてくる予感が あまりにかすかなうちは
それは何かが起ころうとしている予兆でしかなく
わたしたちが感じるのは むしろ変化への怯えなのかもしれません☆
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