2008-10-14(Tue)
いのちの詩,光のことば
古今東西の詩集から,歌詞から,あるいは小説から… こころに響くことばたちを美しい写真とともに集めました. ひとつひとつがあなたへのメッセージとなりますように☆ Copyright © 2007-2008 Luminare&Luminas, All Rights Reserved.
2007-12-10(Mon)
終わりなき詩のように

わたしを止めないで
標本箱の昆虫のように
高原からきた絵葉書のように
止めないでください わたしは羽撃(はばた)き
こやみなく空のひろさをかいさぐっている
目には見えないつばさの音
……
わたしを区切らないで
,(コンマ)や(ピリオド)いくつかの段落
そして おしまいに「さようなら」があったりする手紙のようには
こまめにけりをつけないでください
わたしは終りのない文章
川と同じに
はてしなく流れていく 拡(ひろ)がっていく 一行の詩
新川 和江 『わたしを束ねないで』(抜粋)
「新川和江全詩集」(花神社,2000年)より
雨が降れば濁り 水かさが増せば溢(あふ)れる…
時に淀み 時に激流となって奔(ほとばし)り…
わたしたちの日々は たえず流動し変化する流れのようなものです
その流れの全体が<わたし>であり
どこかの瞬間だけを切り取られて<これがあなただ>と断じられても不本意でしょう
けれども 他人のこととなると
ある段落だけを読み取って コンマやピリオドで簡単に決着させてしまいがちです
ずっと以前に届いてコルクボードに留めたまま黄ばんだ絵葉書が
そのひとのすべての消息であるかのように ある一瞬だけを取り上げて…
いま濁り 溢れているそのひとの 水かさが増したのは
あなたが平和な眠りをむさぼっていた夜半に どんな激しい雨が降ったからか…
何も知らないかもしれないのに…☆
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